「代替医療のトリック」という怪物

今年の一月に「代替医療のトリック」という本が翻訳、発刊されました。

代替医療のトリック

代替医療のトリック

どエライ面倒くさい本である。
もし、これを読んで、影響されたまま、治療院に患者さんとして来られたらヤダわぁー。
(いまは介護で無職なんで、心配ないが…)


感想は、カーボン製の警棒で、一方的に、なぐられたような気分。
慌てて、避難して、影で、あいつだっておかしいぜ、と言いたくなってます。
あぁ卑屈な自分。。。
でも、こわいよぉ。。


この本の存在は、TBSラジオのウイークエンドシャッフル という番組の、書評企画で知った。「代替医療」に批判的な意見が書いてあるという。

一応、あん摩・マッサージ・指圧師の資格を、2年前に取得した者として、真っ向から否定されるのは苦痛だが、真実に近づくために、避けては通るのは、欺瞞! というとこで購入。


それで、さっきの感想である。ボコボコにされ、傷だらけになりました…


しかし
「科学的」とされる内容は、鍼灸マッサージの項目に限った話だが、学校では授業でならうレベル。2000年代以降に入学してると、こういう事例は踏まえてますから、驚きはしません。


ただ、その、近年の研究で、前提として、知られている、証明できてないポイントを片っ端から、上げ連ねて、全部インチキなんだよ! と執拗に、説明していただけます。
それがツライ。


何がツライて、文章である。
優しくない。なにか、使命感にかられた英雄かのような気分で、とにかく辛辣に、バッサバッサと刻んでくれます。
相手が、数字で表れないので、大義を得たり、てな感じで、思い切り気持ち良くやってくれます。
こちらからすれば、恐ろしい怪物です。
ため息まじりで、はー、すみません、て斬られていく先人たちを、見とどける。愕然として。


これだけ、傷つきますと
反論したくなります。


と、言っても科学的な根拠はないですから
哀しいかな、印象論ですが。


YO YO でもさあ、一応「科学的に」とか「公平な立場で」ていうなら
「現代の科学では、まだ、証明できない」て、締めくくれば納得もいくが、「ゆえにデタラメだ」とまで言い切られると、偏ってません?


あと絶対に読んでほしい、とはじめに書いてある1章の事例は「食事や、そうじ、アンケートなど、当時は、科学的と思えなかった」事が、のちに「治療効果が、科学的に、明らかになりました」というはなしで、科学的な視点をたたえる様な内容ではない、と読んじゃいました。
むしろ「科学的でない、と切り捨てるのは良くない」と解釈し、ほくそえんでみたり…


それと「整体は、多少、腰痛には効くようである」とありますが、それを是非「科学的に」証明して欲しかった。当たり前のように、スルーされてます。


本棚をみたらこんな本が

医学は科学ではない (ちくま新書)

医学は科学ではない (ちくま新書)


科学的?とされている主流の医学も、全体を科学的に証明できているワケではないですし。
と、言ってみる。


しかし、代替医療側の人間として、なんとかして欲しい所もあります。


一度、免許を取得してしまうと、こういう本は、ほとんど読まないはず。
かなり、揺さぶられますが、真摯な態度でこういう本をよめる人が増えてほしいものである。